セタガヤ・クォドリベットは、青木洋也氏のもと、少人数でバッハのカンタータを歌いたいと集まったメンバーにより2014 年に創立されました。

2015 年5 月に神田教会にて、ヴァイマール時代の作品を重点的に揃えた第1 回演奏会(教会カンタータ4 番、54 番、131 番、150 番)を開催し、その後は1年2ヶ月のサイクルで演奏活動を続けています。

クォドリベットはラテン語のquod libet に由来します。「好きなもの」「お好きなように」という意味があります。libetの原形liberは英語のliberty, libera(自由、自由な)の語源でもあります。音楽用語の「アドリブ」ad lib もラテン語ad libitum の省略形でこのlibitum も同じルーツを持ちます。

バッハにはBWV524 という番号が付けられているQuodlibet と呼ばれる作品があります。この曲は若いころ、バッハ一族の集まり、それも自身の結婚式の時にみんなで即興的に歌ったもののようです。当時の俗謡を取り入れて、バッハ一族の由来や自分の失敗談らしきものも歌いこんだユーモラスな曲です。このように当時の自由でユーモラスな音楽形式をQuodlibet と呼んでいたようです。

というわけで私たちもこういうことが「好きなもの」が気ままに集まってできたグループということでこの名前を付けました。バッハのカンタータを歌う目的の合唱団は日本にも複数あり、残されているすべてのカンタータを歌い尽くすという目的の団もいくつかあります。そういう目的を持ってしまうと「自由気まま」ともならなくなるし、そこまで人生がついていかないというメンバーもおります。私たちの場合はあまり難しく考えずに、歌いたい時に歌いたい曲を選択していくことになると思います。皆様方の応援よろしくお願いいたします。